■ .iniファイルの説明 〜ex.02

単語への置き換え

簡単なことですが、複雑なスキンを作ろうとしたときに重宝する書き方を紹介します。
いままで解説した.iniファイルでも、フォントの種類や色など、同じ指定が何度もあったり、
前ページ(ex.01)で説明した切り替え部分など、ちょっとちがうだけであとは同じ記述が
何度も繰り返されることがあります。

これらを何度も何度も書くのは、やってみるとわかりますがけっこう大変です。
フォントなど、別のものに変えたいと思ったら全部書き直さなければなりませんし、
切り替える部分も、最初から全て決まっていればいいですけれど
「やっぱここはこうして‥‥こっちをこうして‥‥」などと変更しようと思った日には、
「こっちではこれが表示してここでは隠して今度は表示して‥‥」と混乱すること必至。

そこで、それらの記述を先に別の単語に置き換えておくと、わかりやすくなったり、
あとでちょっと変更したくなったときにとても楽になるのです。

わざわざ1ページ割くのも大げさかもしれませんが、「soeur」スキンで説明してみます。



; Rainmeter [Rosa chinenses - soeur Skin]

[Variables]

;= Setting =====================================================

FontFace="ことり文字ふぉんと"


;= Replace =====================================================

HideBalloon=[!RainmeterHideMeter Balloon] [!RainmeterHideMeter CPU1.txt]
(中略)[!RainmeterHideMeter MeterFDS_G] [!RainmeterHideMeter HDD2.txt]

  はじめに[Variables]という記述がありますが、これはいままで適当に決めてきた
  「[ ]」とは意味が違います。[Variables]と書いた以降は、単語の置換設定ができます。

  ここでは「FontFace="ことり文字ふぉんと"」とありますが、このように記述しておくと
  この.iniファイルで「#FontFace#」と記述すれば「ことり文字ふぉんと」となるのです。
  ※「#  #」と、#ではさむのを忘れずに。

    Fontは本来、表示する項目では逐一指定するものです。
    しかし、その全てに「ことり文字ふぉんと」と記述しておくと、使う人が
    「このフォントは持ってないし、他のフォントに変えたい」と思ったとき、
    .iniファイル内の全ての記述を一つ一つ書き直さなければならず、大変です。

    そこで、最初にこのように別の単語に置き換えておき、フォントを指定するところには
    「#FontFace#」と書くようにすれば、フォントを変えたい場合、ここにある
    「FontFace="ことり文字ふぉんと"」を書き換えるだけですむのです。

  また、その後のHideBalloon=〜では、このスキンで表示する項目の全てを隠す記述を、
  短い単語に置き換えています。情報や画像を隠したり表示させたりするときに、
  「これは隠して‥‥これは表示して‥‥」といちいち記述していては混乱するだけなので、
  まずはいったん全て隠し、表示したいものだけを記述するわけです。


;= Measure =====================================================

  ※中略


;= Foundation ===================================================

  ※中略


;= Balloon1 CPU =================================================

[CPU1.txt]
Meter=STRING
X=191
Y=20
Prefix="パソコンは"
FontFace=#FontFace#
FontColor=24, 24, 64
FontSize=9
StringAlign=LEFT
StringStyle=NORMAL
AntiAlias=1
Hidden=1

[MeterCPU.txt]
Meter=STRING
X=188
Y=16r
Prefix="CPU"
FontFace=#FontFace#
FontColor=24, 24, 64
FontSize=8
StringAlign=LEFT
StringStyle=NORMAL
AntiAlias=1
Hidden=1

  このように、何度も記述されてるのにあとで変更される可能性が高いところを
  Variablesで置き換えた単語にしておけば、とても楽になるわけです。


  ※中略


;= Balloon Rotation =============================================

[MeasureRotation1]
Measure=Calc
Formula=Counter % 24
IfAboveValue=0
IfAboveAction=!execute #HideBalloon# [!RainmeterShowMeter Balloon]
(中略)[!RainmeterShowMeter CPU2.txt] [!RainmeterRedraw]

[MeasureRotation2]
Measure=Calc
Formula=Counter % 24
IfAboveValue=8
IfAboveAction=!execute #HideBalloon# [!RainmeterShowMeter Balloon]
(中略)[!RainmeterShowMeter HDD2.txt] [!RainmeterRedraw]

[MeasureRotation3]
Measure=Calc
Formula=Counter % 24
IfAboveValue=16
IfAboveAction=!execute #HideBalloon# [!RainmeterShowMeter Balloon]
(中略)[!RainmeterShowMeter TheTime3.txt] [!RainmeterRedraw]


  このように、隠す記述をまとめて単語に置き換えてあるので、
  表示したい項目だけが記述されていてとてもわかりやすく、間違えにくくなります。


ただし注意することが一つ。ちょっと考えてよく見ればわかることですが、
最初に#HideBalloon#と置き換えるときに上の3箇所で共用できるようにしてあるので、
#HideBalloon#と記述すると、全ての表示をいったん消していることになります。

本来なら表示したいものもまずは一度消しているので、動作的には無駄なことをしています。
そのため、画像を切り換えるようなスキンで多用すると、動作が重くなってしまいます。
パソコンの性能にもよりますが、一応頭に留めておいたほうがいいかと思います。


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